PEBORA×兵庫県豊岡「コウノトリ育むお米」共感と感動を生むお米の魅力を探る
UPDATE : 2021.11.22
こんにちは!
KOMEKUUTOオンラインストア、スタッフの川村です。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今回は、2020年にストア内で特集した記事「コウノトリ育むお米を世界へ#01 家元貴司」の続編的な内容です
前回は、産地でご活躍されている家元貴司さん(豊岡市役所コウノトリ共生部農林水産課環境農業係CBO)にフォーカスし、コウノトリ育むお米のブランド戦略について取材しました。
そして、2021年、わたしは約1カ月間 豊岡市に産地研修の機会を頂きましたので、その体験談とともにコウノトリ育むお米についてご紹介します。
[写真:田んぼの真ん中でエサを狙うコウノトリ]
コウノトリ最後の1羽が選んだ生息地、兵庫県“豊岡”
かつて、コウノトリは日本各地で暮らしていました。
しかし、1971年、日本の空からコウノトリは姿を消すことになります。
最後の1羽が選んだ生息地が豊岡でした。
なぜ豊岡だったのか?
諸説ございますが、現地である方のお話を聞いた時に、そこに豊岡の持つ根本的な魅力を発見することができました。もともと豊岡には、生きものに対して共生意識の高い人たちが多く、田んぼの中にいようが、道を塞がれようが邪魔者扱いをしてこなかったそうです。
コウノトリも居心地が良かったのでしょうね。
[写真:左から サギ、カラス、コウノトリ、人間、コウノトリ]
最後の1羽になったコウノトリに再び日本の空へ帰すことを“約束”
そんな自然環境や人にも恵まれた場所でさえ最後は生きることが難しくなったのです。消滅の原因は、銃による乱獲や、戦後の高度経済成長に伴う開発などによる湿地や湿田環境の減少、さらに、農薬の大量使用などによるエサとなる生きものの激減でした。
市民は深い悲しみと罪悪感を味わいましたが、ここからが豊岡の素晴らしいところ。最後の1羽になったコウノトリに再び日本の空へ帰すことを“約束”するのです。もう一度、野生復帰をさせて、コウノトリも安心して暮らせる環境作りが始まりました。
約束を果たすためにまず変えたのが農業でした。
試行錯誤を繰り返し、生産者の暮らしも守りつつ、どうすれば生きものたちに喜ばれる田んぼがつくれるのか地道な研究の末に生まれたのが「コウノトリ育む農法」です。
[写真:雑草処理を行う生産者]
コウノトリを頂点とした食物連鎖のバランスを保つこと
「コウノトリ育む農法」の大切なポイントは様々ありますが、農薬や化学肥料に頼らず、多様な生きものが育まれ、コウノトリを頂点とした食物連鎖のバランスを保つことが特徴です。冬も田んぼに水を張る「冬みず田んぼ」や「早期湛水」など通常の栽培方法にはない工夫を行います。それもすべて生きものたちの生育状況などを確認しながらの作業になります。
[写真:コウノトリ田んぼには多くの研究者たちが集まっていました]
豊岡市内の小学生は給食でコウノトリ育むお米を食べている!
その他にも豊岡市では市民と協働した湿地やビオトープの整備、子どもたちへの環境教育など、様々な取り組みを行っています。子供たちの発案により、市内の小学生は給食でコウノトリ育むお米を食べています。
コウノトリや生きもののことを思いながら文化・地域・環境づくりを行ってきた豊岡は日本でもずば抜けた環境保全意識と現代の暮らし方を尊重しながら共生する術を日々磨いていました。
2021年10月30日から2日間にわたって開催された「第6回コウノトリ未来国際かいぎ」(主催:兵庫県・豊岡市)は多くの関心を集めました。
■第6回コウノトリ未来国際かいぎ
https://toyooka-kounotori.com/6th_int-conf-fut-of-ows/
[写真:地元の子供たちもコウノトリ育む農法の田んぼで田植え体験]
現在では200羽を超え、日本の空を飛び回っているコウノトリ
2005年、大切に飼育していた5羽のコウノトリが自然界に放鳥され、2007年には、43年ぶりに野外でひなが誕生し、46年ぶりに巣立ちも確認されました。その後も繁殖を続け、現在では200羽を超え、日本の空を飛び回っています。
(2015年には、当店KOMEKUUTOの地元、青森県三沢市でも確認されています!)
[写真:悠然と空を舞うコウノトリ]
[写真:市内各所に設置されている”巣塔”とコウノトリ]
[写真:巣塔で雛にエサを与える親鳥/巣塔の下には田んぼやビオトープが広がる]
コウノトリの存在が人間の意識を変え、農業を変え、農法が生まれ、
生きものにも、結果、“人間”にも優しいお米が「コウノトリ育むお米」となって循環しているのです。
コウノトリ育む農法は、農薬や化学肥料に頼りません。
つまり、慣行栽培とは比較にならないくらいの手間と労力がかかります。
雑草の処理、水の管理など多くの時間を費やします。
しかし、コウノトリ育む農法を実践している生産者はむしろ意欲的で、向上心や誇りすら感じられました。新しい技術を積極的に活用し、より効率的かつ生産性の高いお米へと進化を続けています。
ここまで書いてきて、あらためて思います。
本当に優しい気持ちになれるお米だなと。
わたしが食べた印象は、新鮮な湧き水を飲んだ時のような感覚。
からだが喜ぶうまさを感じました。(※感じ方はひとそれぞれです)
令和3年産が今年も入荷しました。
命あふれる田んぼで作られた「コウノトリ育むお米」を是非召し上がってみてください。
[写真:研修最終日。豊岡市コウノトリ共生部の皆さまと]
最後に、わたくしを気持ちよく受け入れて下さった豊岡市役所コウノトリ共生部の皆さまに今年1番の感謝を込めて。
これからもよろしくお願いします!
[写真:GLAサイン=グットローカルサイン by 豊岡グッドローカル農業推進室
兵庫県但馬「コウノトリ育むお米」
やわらかく粘りが強い
野生復帰するコウノトリが住みやすい環境づくりの一環として作られたお米で人と自然に優しいお米です。2015年ミラノ国際博覧会『 ミラノ万博日本館 』で紹介されております。産地 | 兵庫県但馬 |
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UPDATE : 2021.11.22
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